Webデザインでは、色・文字・余白を1か所ずつ調整していると、部分的にはきれいでもページ全体では統一感がなくなることがあります。
大切なのは「何pxが正解」「この色数が正解」と固定することではなく、役割を決めて、同じ役割に同じルールを使うことです。
この記事では、Figmaで作ったLPやWebページの配色・文字・余白を整理する実務フローを紹介します。
情報の基準日:2026年8月12日
Figmaの機能は更新されます。最新仕様はFigma公式のStylesとAuto layoutを確認してください。可読性やコントラストは実装後もブラウザ・アクセシビリティ検証で確認します。
先に結論:数値を決める前に「役割」を決める
整える順番は次です。
- ページの目的とブランドトーンを確認する
- 色の役割を分ける
- 文字の階層を作る
- 余白の段階を決める
- Figma Stylesへまとめる
- Auto layoutでpadding・gapへ反映する
- 例外を減らす
- PC/SPで確認する
- 実装へ渡せる名前にする
Webデザインの配色・文字・余白を整える簡単な使い方【2026年8月時点】
Step 1:ページの目的とトーンを1行で書く
例えば、
- 安心感を重視したBtoBサービス
- 明るく親しみやすい個人向けサービス
- 高級感を重視した予約サービス
のように、デザインの方向を短く言語化します。
色やフォントを選ぶときに「好きだから」だけで決めず、この目的へ戻れるようにします。
Step 2:色を役割で分ける
最低限、次のように役割を考えます。
text-primary:本文・見出しの主文字text-muted:補足surface:通常背景surface-alt:区切り背景brand:ブランドの主色accent:CTA・強調border:境界線danger/success:状態表示がある場合
色数を機械的に制限するのではなく、同じ役割に別の色が増えていないかを確認します。
Step 3:文字色と背景の組み合わせを確認する
薄いグレーの文字を白背景へ置くと、見た目は軽くても読みにくくなる場合があります。
特に、
- 本文
- 小さい注釈
- ボタン文字
- リンク
- disabled状態
は実際の画面で確認します。
ブランド色をそのまま本文色へ使う必要はありません。読みやすさを優先して役割を分けます。
Step 4:文字の階層を決める
例えば、
- Display:ファーストビューの主見出し
- H2:セクション見出し
- H3:カード・小見出し
- Body:本文
- Small:補足
- Button:操作ラベル
のように役割を決めます。
それぞれ、
- font family
- size
- weight
- line height
- letter spacing
を揃えます。
Figma公式のStylesでは、Text Styleとしてfont family、size、line height、spacingなどを定義できます。
Step 5:見出しを大きさだけで差別化しない
見出し階層はサイズだけでなく、
- weight
- 前後余白
- 色
- 補助ラベル
- レイアウト位置
も含めて区別します。
H2とH3のサイズ差を極端にしなくても、前後関係が分かれば構いません。
Step 6:余白の段階を作る
余白も、すべて別々の数値にせず段階を持たせます。
例:
xs : アイコンと文字など
sm : 近い要素同士
md : カード内のまとまり
lg : セクション内のまとまり
xl : セクション間
数値はデザインに合わせて決めます。8px刻みなどを絶対ルールにする必要はありません。
重要なのは、同じ関係に同じ余白感を使うことです。
Step 7:近いものを近く、別のものを離す
余白は装飾ではなく、情報の関係を示します。
例えば、
見出し
↓ 小さめ
説明文
↓ 大きめ
次のセクション
とすると、見出しと説明文が同じグループだと伝わります。
Step 8:Auto layoutへ反映する
Figma公式ではAuto layoutでpadding、spacing、alignmentなどを持たせ、内容変化へ追従するレイアウトを作れます。
ボタンやカードで、毎回手動配置するのではなく、
- button padding
- card padding
- card gap
- section stack gap
などを構造として持たせます。
Step 9:Stylesへ登録する
Figma公式のStylesでは、Paint・Text・Effect・Layout guideなどを定義できます。
例えば、
Color / Text / Primary
Color / Text / Muted
Color / Brand / Primary
Text / Heading / H2
Text / Body / Default
のように「何の色か」が分かる名前にします。
Blue 500のような値名だけでなく、用途が分かるsemanticな命名も検討します。
Step 10:ページ全体を同じ条件で見直す
1セクションずつではなく、ページ全体を縮小して、
- 強調色が多すぎないか
- H2が同じ強さか
- セクション間隔が急に変わっていないか
- カードごとにpaddingが違わないか
- 同じCTAが別デザインになっていないか
を確認します。
Step 11:SPでも同じルールが成立するか確認する
SPではすべてを単純縮小するのではなく、
- 見出しサイズ
- 行長
- 左右余白
- セクション間隔
- ボタン幅
を調整します。
ただし、PCとSPで完全に別のデザインシステムにならないよう、色・階層・部品の役割は維持します。
PC/SP設計の具体的な流れは「FigmaでPC/SPデザインカンプを作る実践レシピ」で扱います。
Step 12:実装者へ渡せる名前とルールにする
デザイン側でルールが整理されていると、HTML/CSS側でもCSS custom propertiesや共通classへ落としやすくなります。
例えば、
:root {
--color-text: ...;
--color-muted: ...;
--color-brand: ...;
--space-sm: ...;
--space-md: ...;
--space-lg: ...;
}
のような設計へ翻訳できます。
FigmaからHTML/CSSへ渡す実務フローは「FigmaデザインからHTML・CSSへ実装する方法」へ進んでください。
よくある失敗
色を増やして区別する
情報の優先順位が曖昧なとき、色を追加して解決しようとするとページが散らかることがあります。
まず見出し階層・余白・配置で区別できないか確認します。
余白を目分量で微調整し続ける
32px、30px、34pxのように近い値が増えた場合、意図的な差か確認します。
必要な例外なら残し、理由のない差は統一します。
SPだけ別物になる
PCを作ったあとSPでゼロから組み直すと、部品名・色・階層が分断されることがあります。
先に共通ルールを作り、SPではレイアウトの変化を中心に判断します。
LP制作の中で使う
このレシピは単独で色選びをするためではなく、LP制作の途中で使うと効果的です。
まず「FigmaでLPデザインを1ページ作る基本」で構成とワイヤーを作り、その後にこのレシピで見た目を整えます。
次に「FigmaでPC/SPデザインカンプを作る実践レシピ」で画面幅ごとの変化を整理し、最後に「Figma→HTML/CSSの実装レシピ」へ渡します。
まとめ
配色・文字・余白は、絶対的な正解の数値を探すより、役割を定義し、同じ役割へ同じルールを使い、PC/SPと実装まで一貫させることが重要です。
次に読む記事
今のテーマから次の行動へ進むときは、以下の記事も参考にしてください。
- 視覚ルールをPC/SPへ展開する — 配色・文字・余白のルールを画面幅が変わっても一貫させたい人向けです。
- デザインルールをCSSへ渡す — FigmaのStylesやspacingルールを実装へ翻訳したい人向けです。