個人事業の経理は、毎日長時間やる必要はありません。
取引件数が多くないうちは、月1回「締める日」を決めて、請求・入金・経費・口座・帳簿をまとめて確認するだけでも管理しやすくなります。
重要なのは、確定申告前に1年分を思い出しながら分類する状態を避けることです。
情報の基準日:2026年8月14日
国税庁は、事業所得等のある人について、売上などの収入金額や仕入・経費の事項を帳簿へ記載し、請求書・領収書などを保存する必要があると案内しています。最新情報は国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」で確認してください。
先に結論:月次経理は6ステップで締める
- 請求した売上を確認
- 入金済み・未入金を分ける
- 経費の証拠を集める
- 銀行・カード・現金を確認
- 帳簿へ反映して残高を見る
- 翌月へ持ち越す項目をメモする
この順番にすると、「帳簿へ何を入力するか」が先に整理できます。
ステップ1:当月の請求を一覧にする
最初に、その月に納品・請求した仕事を並べます。
| 取引先 | 内容 | 請求額 | 請求日 | 支払期限 | 状態 |
|---|---|---|---|---|---|
| A社 | LP制作 | 100,000円 | 8/5 | 8/31 | 入金済み |
| B社 | 記事制作 | 30,000円 | 8/20 | 9/30 | 未入金 |
請求書を作っていても一覧がないと、未入金に気づきにくくなります。
ステップ2:銀行明細と入金を照合する
請求一覧と銀行明細を見比べます。
確認するのは、
- 入金日
- 金額
- 振込手数料等の差額
- 取引先名
- 未入金
です。
金額が違う場合、推測で処理せず、請求書・契約・振込内容を確認します。
ステップ3:経費の証拠を集める
次に、その月に仕事で支払ったものを集めます。
- クレジットカード明細
- 銀行振込
- 領収書
- レシート
- メールで届いた請求書
- SaaSの領収データ
国税庁は、帳簿だけでなく取引に伴って作成・受領した請求書、領収書などの保存も案内しています。
電子取引のデータ保存には別の要件が関係する場合があるため、実際の保存方法は国税庁の最新案内を確認してください。
ステップ4:用途が分からない支出をその月のうちに確認する
カード明細にサービス名だけが出ていると、半年後には用途を忘れます。
月次処理の時点で、
- どの案件に使ったか
- 事業全体に使ったか
- 私用が混ざっていないか
- 契約プランは何か
をメモします。
判断が難しい費用を無理に経費へ入れず、「要確認」として専門家へ相談できる状態にします。
ステップ5:会計ソフトまたは帳簿へ反映する
証拠が揃ったら記帳します。
会計ソフトを使う場合は、銀行・カード連携で候補が自動取得されても、自動で正しい勘定科目になるとは限らないので確認します。
特に、
- 私用との混在
- 売上入金
- 事業主貸・事業主借
- 固定資産になり得る高額購入
- 消費税区分
などは状況によって判断が必要です。
会計ソフトを選ぶ段階なら個人事業主向け会計ソフトおすすめ3選を確認してください。
ステップ6:未処理リストを翌月へ渡す
その月に解決しなかったものだけを短く残します。
9月へ持ち越し
- B社 30,000円:9/30入金予定
- Adobe領収書:ダウンロード待ち
- 8/28交通費:案件名確認
- 青色申告承認申請:期限を再確認
全部を頭で覚えないことがポイントです。
月次経理で確認したいチェックリスト
売上
- 請求漏れはないか
- 入金済みか
- 金額差異はないか
- 未入金へ連絡が必要か
経費
- 領収書・請求書はあるか
- 用途が説明できるか
- 私用分が混ざっていないか
資金
- 口座残高
- 翌月の固定費
- 税金用に確保する資金
- 大きな支払い予定
税金としていくら残すべきかは所得や他の収入等によって変わるため、一律の率で断定しません。
会計ソフトを使うと短縮しやすい部分
マネーフォワード クラウド確定申告の公式情報では、銀行・クレジットカード等の明細連携、日々の仕訳データを基にした申告書作成、e-Taxなどが案内されています。
弥生も個人事業主向けの青色申告・白色申告製品を提供しています。
ただし、ソフトを入れるだけで経理が終わるわけではありません。
「毎月いつ確認するか」と「不明な取引をそのまま確定しない」ルールを先に作ることが重要です。
導入後の設定は会計ソフト導入後の初期設定へ進んでください。
月次経理を始める前の記事
まだ初売上が出たばかりなら、副業で初売上が出たらやることから始めると整理しやすいです。
開業手続きや税金全体は個人事業主の税金と手続きで確認できます。
まとめ
月次経理の目的は、毎月完璧な決算をすることではありません。
取引を忘れないうちに、証拠と帳簿を一致させることです。
- 請求一覧を作る
- 入金を照合する
- 経費の証拠を集める
- 用途不明を確認する
- 帳簿へ反映する
- 未処理だけ翌月へ渡す
月1回この流れを続けると、確定申告時に「これは何の支払いだった?」を1年分さかのぼる作業を減らせます。